トルコにおける失業率は、小規模な変動はあるものの、おおむね10%強の水準で高止まりしている。
好調を維持している経済にたいして、このような高い水準の失業率が発生しているほぼ唯一の理由は、急激な人口増加である。トルコの出生者数は、毎年約120万人にも達しており、いかに近年好調なトルコ経済であってもこれだけ膨大な数にのぼる学校新卒者を吸収することはできていない。しかし、単純な理由であるからこそ、解決の見込みがない問題であり、トルコにおいては重大な社会問題となっている。
また、かつてなかった新たな形の失業問題として、高卒者・大卒者等の高学歴失業者の問題が挙げられる。これは、中所得階層の雇用所得の上昇が高卒者・大卒者の増加をもたらしたことによるもので、この影響により、かつては存在していた一定の学歴があるものは企業において中間管理職・上級管理職の地位が卒業後すぐに与えられるという社会システムは、なかば崩壊しつつある。
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