約半分はまだ建設中となっている |
さて南アフリカでは4年後に向けて、いろいろな準備を進めている最中です。何よりもまずは、試合が行われるスタジアムを準備しないといけません。南アフリカは、2010年W杯中に使用予定のスタジアムとして、以下の10ヶ所を発表しました。この中にはすでに完成しているものもありますし、現在建設中のものもあります。
南アフリカで開催するにあたって、他国の選手やサポーターにとって不安材料となるのが治安です。南アフリカはあまり治安の良い国ではなく、特にヨハネスブルグは「世界最悪の犯罪都市」とすら言われてきた治安の悪い都市です。
ヨハネスブルグの中心部は、「強盗に頻繁に遭う場所」とも言われています。現在の状態のままでは、選手やサポーターが安心して行きにくいかもしれません。またヨハネスブルグ内には、治安が悪いために多くのビルやマンションが空室のまま放置され、ゴーストタウンのようになっている地区もあります。W杯を平和裏に開催して終わらせるためには、4年間で治安を改善することが重要になってくるでしょう。
治安面の改善やスタジアム以外の道路、空港、鉄道など各種設備の増強のために、今年になってすでに50億ランド(約800億円)の予算が、W杯関連事業に割り当てられたと言われています。今後も2010年までは毎年同じくらいの予算が割り振られることが予想され、着々と準備は進められていくでしょう。
W杯の経済効果は?
とは言え、あくまでFIFAによって審査されて、開催地として選定された国なのです。南アフリカが選ばれるまでには、5カ国が開催地として立候補していました。最終的には3カ国の投票となりましたが、それでも他国を破って選ばれたのです。問題なく開催できるという、判断はあったのでしょう。事実2003年のFIFAの査察団による報告書には、「安全面は十分改善可能」という結論が書かれています。
W杯の開催は、南アフリカに大きな経済効果をもたらします。あるコンサルティング会社の試算では、W杯の経済効果は213億ランド(約3400億円)とされています。しかしながら最も大きなメリットはお金ではなく、南アフリカという国の知名度とイメージが、国際社会で上がることであると言われています。かつてはアパルトヘイトなどでマイナスイメージの多かった南アフリカが、W杯によって「素晴らしい国」として認知されれば、W杯は大成功と言えるでしょう。
<AllAbout ガイド:鳥羽 賢 >
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