1.主要産業
(農)畜業、とうもろこし、柑橘類、その他の果物、小麦、砂糖、羊毛、皮革類
(鉱)金、ダイヤモンド、プラチナ、ウラン、鉄鉱石、石炭、銅、クロム、マンガン、石綿
(工)食品、製鉄、化学、繊維、自動車
2.GNP
1,638億ドル(2004年)
3.一人当たりGNP
3,507ドル(実質)4,602ドル(名目)(2005年)
4.経済成長率
0.5%(1998年)、1.2%(1999年)、3.4%(2000年)、2.2%(2001年)、3.6%(2002年)、1.9%(2003年)、3.7%(2004年)
5.物価上昇率
6.9%(1998年)、5.2%(1999年)、5.4%(2000年)、5.7%(2001年)、10.0%(2002年)、6.8%(2003年)、4.3%(2004年)、3.9%(2005年)
6.失業率
31.2%(2003年)、27.8%(2004年)、26.7%(2005年)
7.総貿易額
(1)輸出 517億ドル(2005年)
(2)輸入 551億ドル(2005年)
8.主要貿易品目
(1)輸出 金、希金属、鉱物製品、化学製品、食品、繊維製品、ダイヤ
(2)輸入 機械、自動車類、化学製品、科学機器、繊維製品、プラスティック、ゴム
9.主要貿易相手国
(1)輸出 日本、英、米、独、蘭(2005年)
(2)輸入 独、中、米、日本、英(2005年)
10.通貨
ランド(Rand)
11.為替レート
1米ドル=6.2ランド(2006年3月)
12.経済概況
(1)南ア経済は、19世紀後半にダイヤモンド、金が発見されて以降、鉱業主導で成長し、これによって蓄積された資本を原資として製造業及び金融業が発展していたが、近年ではかつての主力産業であった鉱業(1990年の対GDP比9.7%)の比率が減少を続けている一方、金融保険(1990年の対GDP比は14.5%)の割合が拡大している。2001年のGDP部門別内訳は、第一次産業10.0%(農業4.2%、鉱業5.8%)、第二次産業26.5%(製造業20%、エネルギー3.4%、建設業3.1%)、第三次産業63.5%(商業13.7%、運輸業10.9%、金融保険業19.6%)であり、先進国同様、南ア経済は第三次産業の割合が高くなっているが(63.5%)、貿易構造は依然として一次産品依存型で、鉱物資源輸出への依存が依然として高い。なお、輸入では先進国からの機械類の比率が高い。
(2)1997-1998年には内需の縮小と世界経済の低迷の影響から南ア経済は停滞したが、1999年に入ると景気は回復し始めた。しかし、2002年以降、南ア経済は高金利とランド高に苦しみ、成長率は鈍化傾向。南ア準備銀行は2003年に5.5%の利下げを実施し、プライムレートも11%まで下落したが、ランド高(1ドル=6~7ランド)は是正されず、輸出産業の業績悪化により、2003年の経済成長率は、前年の3.6%を大きく下回る1.9%(1998年(0.8%)以降で最低の伸び)まで落ち込んだ。しかし、景気の低迷は、2003年第2四半期で底を打ち、その後金融政策の大幅な緩和もあり、内需が回復し、2004年の経済成長率は、3.7%となっている。
(3)南アは、1996年に金融政策・貿易の自由化、財政の健全化、諸規制の撤廃を掲げたマクロ経済戦略「成長・雇用・再分配(GEAR)」を策定し、以後、自由化による経済成長路線を歩んでいる。現在でも経済政策の基本はGEARであるが、医療福祉、中小企業振興等への財政支出の増加等も強化している。他方、失業は依然として大きな社会問題となっており、1997年の21%以降、20%を越える高い水準で推移しており(2004年は27.8%)、人種間の格差が大きいのが特徴。
(4)ムベキ大統領は2005年2月の施政方針演説において、経済成長目標(10年以降6%台の経済成長、14年までに失業率を半減すること)を達成するための「経済成長加速化戦略(ASGISA)」の策定に言及した。ASGISAでは、成長の阻害要因として熟練労働者不足、高い輸送費用等を指摘し、その解決策として教育・能力開発やインフラ整備などを挙げている。
<外務省>
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