トルコにおいて建設業は国内総生産の3%程度を占めるに過ぎない産業ではあるが、その一方で対外請負による外貨獲得源としても期待されており、実際に中東・北アフリカ・ロシアを含む旧ソ連諸国において受注を獲得している。特にロシアは受注額の3分の1を占めるトルコにとってもっとも主要な受注先であり、ロシア連邦議会ビルの修復を行ったのもトルコ企業である。
トルコにおいては一般の住宅環境が良好とは言えなかったが、これは、きわめて高いインフレ率によって住宅ローンが事実上機能していなかったことに主な原因がある。実際、手持ち資金が尽きるとその時点で建設を中断し、残りの部分は再び資金をためたあとに建設するということは、トルコにおいてはごく普通であり、街中の実際に居住が行われている建物でも、これらの光景は良く見られる。しかし、歴史的な水準にまで低下したインフレ率によって、一般向け住宅ローンが銀行の営利事業として十分実行可能なものとなりつつあり、これにより、2005年以降の住宅建設の増加が期待されている。